所得控除・税額控除の一覧【2026年版】全15種類をわかりやすく解説

最終更新: 2026年3月

税金の控除には大きく分けて「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。所得控除は課税所得(税率をかける前の金額)を減らす仕組みで、基礎控除や配偶者控除など14種類があります。一方、税額控除は計算された税額から直接差し引く仕組みで、住宅ローン控除などが該当します。税額控除は控除額がそのまま減税額になるため、一般的に節税効果が大きくなります。このページでは、2026年(令和8年)時点で利用できる全ての控除を一覧にまとめ、それぞれの概要・上限額・活用ポイントを解説します。

2026年税制改正

控除に関する主な変更点

  • 基礎控除が48万円から最大95万円に引上げ(合計所得2,350万円以下の場合)
  • 給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引上げ
  • いわゆる「103万円の壁」が「178万円の壁」に変更
  • 特定扶養控除の年収要件が103万円から150万円に緩和

所得控除一覧(14種類)

所得控除は、所得金額から差し引くことで課税所得を減らし、結果的に税額を軽減する仕組みです。以下の14種類があります。

控除名 控除額(上限) 概要 計算ツール
基礎控除改正 最大95万円 全ての納税者に適用(所得制限あり) 税制改正比較
配偶者控除 最大38万円 配偶者の所得48万円以下の場合 配偶者控除計算
配偶者特別控除 最大38万円 配偶者の所得48万超133万円以下 配偶者控除計算
扶養控除 38万〜63万円 16歳以上の扶養親族がいる場合 扶養控除計算
社会保険料控除 全額 健康保険・厚生年金・国民年金等の支払額 社会保険料計算
小規模企業共済等掛金控除 全額 iDeCo・小規模企業共済の掛金 iDeCo計算
生命保険料控除 最大12万円 一般・介護医療・個人年金の3区分 生命保険料控除計算
地震保険料控除 最大5万円 地震保険料の支払額 -
医療費控除 最大200万円 年間医療費が10万円(または所得5%)を超えた部分 医療費控除計算
寄附金控除 寄附金-2,000円 ふるさと納税・特定寄附金 ふるさと納税計算
障害者控除 27万〜75万円 本人・配偶者・扶養親族が障害者の場合 -
ひとり親控除 35万円 ひとり親で所得500万円以下の場合 -
勤労学生控除 27万円 勤労学生で所得75万円以下の場合 -
雑損控除 損失額による 災害・盗難・横領による損失 -
基礎控除改正 最大95万円

すべての納税者に適用される控除。2026年税制改正で48万円から最大95万円に大幅引上げ。合計所得金額2,350万円超で段階的に減額され、2,500万円超で適用外となります。

税制改正の影響を計算する
配偶者控除 最大38万円

配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入103万円以下)の場合に適用。納税者本人の所得が1,000万円超の場合は適用されません。70歳以上の配偶者は老人控除対象配偶者として48万円。

配偶者控除を計算する
配偶者特別控除 最大38万円

配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下の場合に段階的に適用。配偶者控除を受けられない場合でも、一定の控除を受けられる仕組みです。

控除額をシミュレーションする
扶養控除 38万〜63万円

16歳以上の扶養親族がいる場合に適用。特定扶養親族(19〜22歳)は63万円、老人扶養親族(70歳以上)は同居で58万円、別居で48万円。16歳未満は児童手当の対象のため控除なし。

扶養控除額を計算する
社会保険料控除 全額控除

健康保険料・厚生年金保険料・国民年金保険料・介護保険料など、支払った社会保険料の全額が控除されます。家族の分を支払った場合も含められます。

社会保険料を計算する
小規模企業共済等掛金控除 全額控除

iDeCo(個人型確定拠出年金)・小規模企業共済・企業型DCのマッチング拠出の掛金が全額控除。iDeCoは会社員で月2.3万円、自営業で月6.8万円が上限です。

iDeCoの節税効果を計算する
生命保険料控除 最大12万円

一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3区分で各最大4万円、合計最大12万円が控除されます。新契約(2012年以降)と旧契約で計算方法が異なります。

生命保険料控除を計算する
地震保険料控除 最大5万円

地震保険料の支払額に応じて最大5万円が控除されます。旧長期損害保険料は最大1.5万円。地震保険は火災保険とセットで加入するのが一般的です。

医療費控除 最大200万円

年間の医療費が10万円(所得200万円未満は所得の5%)を超えた部分が控除対象。家族全員分を合算できます。セルフメディケーション税制(最大8.8万円)との選択適用。

医療費控除を計算する
寄附金控除(ふるさと納税) 寄附金-2,000円

ふるさと納税や特定の団体への寄附金から2,000円を引いた額が控除されます。ふるさと納税は実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえるお得な制度です。

ふるさと納税の限度額を計算する
障害者控除 27万〜75万円

本人・配偶者・扶養親族が障害者の場合に適用。一般障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円。障害者手帳の等級によって区分されます。

ひとり親控除 35万円

婚姻歴の有無に関わらず、生計を一にする子がいるひとり親で合計所得500万円以下の場合に適用。2020年に寡婦控除・寡夫控除を統合して創設されました。

勤労学生控除 27万円

勤労学生で合計所得金額が75万円以下(給与収入のみなら130万円以下)の場合に適用。学校教育法に定める学校の学生・生徒が対象です。

雑損控除 損失額による

災害・盗難・横領により住宅や家財に損害を受けた場合に適用。差引損失額から所得の10%を引いた金額、または災害関連支出-5万円のいずれか多い方。確定申告が必要です。

税額控除一覧

税額控除は、算出された所得税額から直接差し引くため、控除額=減税額となり、所得控除より節税効果が大きいのが特徴です。

控除名 控除額(上限) 概要 計算ツール
住宅ローン控除 最大31.5万円/年 住宅ローン残高の0.7%を最大13年間控除 住宅ローン控除計算
配当控除 配当の10% 国内株式の配当を総合課税で申告した場合 -
外国税額控除 外国税額 外国で課税された税額を二重課税防止のため控除 -
住宅耐震改修特別控除 最大25万円 耐震改修工事費用の10%を控除 -
住宅ローン控除 最大31.5万円/年

住宅ローン残高の0.7%を所得税・住民税から最大13年間控除。新築・中古・リフォームが対象。2024年以降は省エネ基準適合が必須。借入限度額は住宅の種類で異なります。

住宅ローン控除を計算する
配当控除 配当の最大10%

国内株式の配当金を総合課税で確定申告した場合に適用。課税所得が695万円以下なら申告分離課税(20.315%)より有利になる場合があります。NISA口座の配当は対象外。

外国税額控除 外国税額

外国の株式配当等で源泉徴収された外国税を、日本の所得税から控除。米国株の配当で10%源泉徴収された場合などに活用できます。確定申告が必要です。

住宅耐震改修特別控除 最大25万円

1981年5月31日以前に建築された住宅の耐震改修工事にかかった費用の10%(最大25万円)を控除。他の住宅関連税額控除との併用も可能な場合があります。

年収別の控除活用ガイド

年収に応じて使える控除・お得度が変わります。自分の年収レンジに合った控除を確認して、漏れなく活用しましょう。

年収300万円以下
  • 基礎控除(95万円)で大幅減税
  • 社会保険料控除(自動適用)
  • ふるさと納税(少額でもお得)
  • 勤労学生控除(学生の場合)
年収300〜500万円
  • 基礎控除 + 社会保険料控除
  • ふるさと納税(限度額を要確認)
  • 生命保険料控除(最大12万円)
  • iDeCo(月2.3万円で年5.5万円節税)
年収500〜800万円
  • 上記全て + 医療費控除
  • 住宅ローン控除(税額控除で効果大)
  • ふるさと納税の限度額が増加
  • 配偶者控除・扶養控除の活用
年収800万円超
  • 全控除をフル活用する戦略
  • iDeCo + ふるさと納税の併用
  • 住宅ローン控除の最大活用
  • 配当控除の損益分岐点を確認
あなたに合った節税方法を診断しましょう
節税チェックリストで、使える控除を簡単に確認できます。確定申告が必要かどうかの判定もワンクリックで。
手取り額への影響をシミュレーション
控除を活用すると手取りがどれだけ増えるか、手取り計算ツールで確認できます。

よくある質問

所得控除と税額控除の違いは何ですか?
所得控除は課税所得を減らす仕組みで、税率を掛ける前の所得から差し引きます。一方、税額控除は計算された税額から直接差し引く仕組みです。税額控除の方が節税効果が大きく、例えば住宅ローン控除は税額から直接控除されるため、控除額がそのまま減税額になります。
2026年の基礎控除はいくらですか?
2026年(2025年分の所得税)から基礎控除は48万円から最大95万円に引き上げられました。ただし、合計所得金額が2,350万円を超えると段階的に減額され、2,500万円を超えると適用されません。多くの給与所得者にとって大幅な減税となります。
会社員が使える控除にはどんなものがありますか?
会社員が年末調整で使える主な控除は、基礎控除、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)です。医療費控除やふるさと納税の寄附金控除は確定申告が必要ですが、ふるさと納税はワンストップ特例制度を使えば確定申告不要です。
ふるさと納税は所得控除ですか?税額控除ですか?
ふるさと納税は所得税では「寄附金控除」として所得控除に分類されます。一方、住民税では税額控除として扱われます。確定申告をした場合は所得税の還付と住民税の減額の両方を受けられ、ワンストップ特例を使った場合は住民税の税額控除のみで全額控除されます。
控除を最大限活用するにはどうすればいいですか?
まず基礎控除・社会保険料控除は自動適用されます。次にiDeCo(小規模企業共済等掛金控除)やふるさと納税(寄附金控除)は誰でも始めやすく節税効果が高いです。年収500万円以上なら生命保険料控除・医療費控除・住宅ローン控除も検討しましょう。当サイトの節税チェックリストで、あなたに合った控除を診断できます。

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計算根拠・参照データ

本ページの内容は、以下の公的機関のデータ・法令に基づいています。

※ 計算結果はあくまで概算です。正確な金額は各公的機関や専門家にご確認ください。