転職時の手取り・税金の基礎知識
転職で年収が変わると、手取り額も変化しますが、額面の増減がそのまま手取りに反映されるわけではありません。所得税の累進課税や社会保険料の増加により、年収が上がるほど税負担も大きくなります。ここでは、転職時に知っておくべき税金・社会保険料の仕組みを解説します。
給与所得控除(2026年版)
給与所得控除は、給与収入から一定額を差し引く制度です。2026年の税制改正では、基礎控除との組み合わせで実質的な控除額が見直されています。年収に応じて段階的に控除額が変わり、年収850万円超では上限195万円となります。
基礎控除(2026年改正)
2026年の税制改正により、合計所得金額132万円以下の場合は基礎控除が95万円に引き上げられました。合計所得金額2,400万円以下の場合は従来通り48万円です。この改正は低所得者層の税負担軽減を目的としています。
社会保険料の仕組み
社会保険料は健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料で構成されます。概ね年収の約15%が社会保険料として天引きされます。転職時は新しい会社の標準報酬月額に基づいて保険料が再計算されるため、年収の変動は比較的早く社会保険料に反映されます。
転職時の住民税
住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、転職しても翌年5月までは前職の年収ベースで課税されます。退職時期によって取り扱いが異なります。
- 1〜5月に退職:退職月から5月までの住民税が最後の給与から一括徴収されることがあります。
- 6〜12月に退職:普通徴収(自分で納付)に切り替わるか、残額を一括徴収するかを選択できます。
- 転職先:特別徴収の引き継ぎ手続きを行えば、転職先で天引きが継続されます。
退職金の税金
退職金は「退職所得」として分離課税されます。退職所得控除は勤続年数に応じて計算され、20年以下は「40万円 x 勤続年数」、20年超は「800万円 + 70万円 x(勤続年数 - 20年)」です。控除後の金額の1/2に所得税・住民税が課されるため、給与に比べて税制上の優遇を受けられます。