計算ロジックと根拠の公開

最終更新日: 2026年3月17日

くらしの計算機では、計算の透明性を大切にしています。このページでは、各計算ツールで使用している計算式・計算ロジックの詳細と、その根拠となる公的データについて公開します。 すべての計算は国税庁・総務省・厚生労働省等の公的機関が公表する一次データに基づいており、二次情報や推測値は使用していません。

手取り計算の仕組み

当サイトの手取り計算は、年収(額面)から社会保険料・所得税・住民税を差し引いて手取り額を算出します。以下に各ステップの計算ロジックを詳細に解説します。

1. 給与所得控除の計算式

給与所得控除は、給与収入に応じて段階的に控除額が決まります。国税庁の速算表(No.1410)に準拠しています。

給与収入 給与所得控除額
162.5万円以下 55万円
162.5万円超 180万円以下 収入 × 40% - 10万円
180万円超 360万円以下 収入 × 30% + 8万円
360万円超 660万円以下 収入 × 20% + 44万円
660万円超 850万円以下 収入 × 10% + 110万円
850万円超 195万円(上限)

2. 基礎控除(2026年改正対応)

2026年税制改正により、基礎控除額が大幅に引き上げられました。合計所得金額に応じて以下のとおりです。

合計所得金額 基礎控除額(所得税)
132万円以下 95万円
132万円超 336万円以下 88万円
336万円超 489万円以下 68万円
489万円超 655万円以下 63万円
655万円超 2,350万円以下 58万円
2,350万円超 2,400万円以下 48万円
2,400万円超 2,450万円以下 32万円
2,450万円超 2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円

※ 住民税の基礎控除は従来どおり43万円(合計所得金額2,400万円以下の場合)です。

3. 社会保険料の内訳

給与所得者(会社員)の社会保険料は以下の4項目で構成されます。いずれも労使折半で、以下は被保険者(従業員)負担分です。

項目 料率(被保険者負担分) 根拠
健康保険料 都道府県別(約4.5%〜5.5%) 協会けんぽ 令和7年度保険料額表
厚生年金保険料 9.15%(全国一律) 日本年金機構
雇用保険料 0.55%(一般の事業) 厚生労働省
介護保険料(40歳以上) 約0.8% 協会けんぽ

社会保険料は「標準報酬月額」に対して計算されます。標準報酬月額は、4月・5月・6月の報酬の平均額を等級表に当てはめて決定されます(定時決定)。当サイトでは年収を12で割った金額を標準報酬月額の近似値として使用しています。

4. 所得税の累進税率表

所得税は超過累進税率方式で計算されます。課税所得金額に応じて以下の税率が適用されます(国税庁 No.2260)。

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超 330万円以下 10% 97,500円
330万円超 695万円以下 20% 427,500円
695万円超 900万円以下 23% 636,000円
900万円超 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

計算式: 所得税額 = 課税所得金額 × 税率 - 控除額

※ 2037年までは復興特別所得税(所得税額 × 2.1%)が加算されます。

5. 住民税の計算

住民税は「均等割」と「所得割」の合計で構成されます(総務省 個人住民税)。

  • 均等割: 5,000円(市町村民税 3,500円 + 道府県民税 1,500円)
  • 所得割: 課税所得金額 × 10%(市町村民税 6% + 道府県民税 4%)

計算式: 住民税 = 均等割 5,000円 + 課税所得金額 × 10%

※ 住民税の基礎控除は43万円です。所得税の基礎控除とは金額が異なりますのでご注意ください。

6. 手取り計算フロー

年収(額面給与)
  |
  |- [Step 1] 給与所得 = 年収 - 給与所得控除
  |
  |- [Step 2] 社会保険料 = 健康保険料 + 厚生年金保険料 + 雇用保険料 (+介護保険料)
  |
  |- [Step 3] 所得税の課税所得 = 給与所得 - 社会保険料 - 基礎控除(最大95万円) - その他控除
  |
  |- [Step 4] 所得税 = 課税所得 × 累進税率 - 速算控除額
  |             所得税(復興税込) = 所得税 × 1.021
  |
  |- [Step 5] 住民税の課税所得 = 給与所得 - 社会保険料 - 基礎控除(43万円) - その他控除
  |
  |- [Step 6] 住民税 = 課税所得 × 10% + 均等割 5,000円
  |
  ▼
手取り = 年収 - 社会保険料 - 所得税(復興税込) - 住民税

ふるさと納税限度額の計算

ふるさと納税の控除上限額は、住民税所得割額と所得税の税率から算出します。自己負担2,000円で寄附できる上限額の計算式は以下のとおりです。

限度額の計算式

ふるさと納税の控除上限額(目安)

上限額 = 住民税所得割額 × 20% ÷ (100% - 住民税率10% - 所得税率 × 復興税率1.021) + 2,000円

住民税所得割額の算出方法

  1. 給与所得を計算(年収 - 給与所得控除)
  2. 課税所得を計算(給与所得 - 社会保険料控除 - 基礎控除43万円 - その他控除)
  3. 住民税所得割額 = 課税所得 × 10%

特例控除の計算式

ふるさと納税の税額控除は3つの要素で構成されます。

  • 所得税からの控除: (寄附金 - 2,000円) × 所得税率 × 1.021
  • 住民税からの控除(基本分): (寄附金 - 2,000円) × 10%
  • 住民税からの控除(特例分): (寄附金 - 2,000円) × (100% - 10% - 所得税率 × 1.021)

特例分は住民税所得割額の20%が上限となり、この上限から逆算して控除上限額を求めます。

※ 計算式の詳細は総務省 ふるさと納税ポータルサイトをご参照ください。

相続税・贈与税の計算

相続税の基礎控除

相続税には基礎控除があり、遺産総額がこの金額以下であれば相続税はかかりません(国税庁 No.4152)。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例: 法定相続人が配偶者と子ども2人(計3人)の場合、基礎控除は 3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円 です。

相続税の税率表

法定相続分に応じた取得金額に以下の税率を適用します(国税庁 No.4155)。

法定相続分に応じた取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% -
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

贈与税の計算

贈与税には年間110万円の基礎控除があります。110万円を超える贈与に対して、一般税率または特例税率(直系尊属からの贈与で18歳以上の場合)が適用されます(国税庁 No.4408)。

贈与税額 = (贈与額 - 基礎控除110万円) × 税率 - 控除額

住宅ローン控除の計算

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンの年末残高に応じて所得税・住民税から控除を受けられる制度です。

控除額の計算方法

住宅ローン控除額 = 年末ローン残高(上限あり) × 控除率 0.7%

2026年の適用要件と控除上限

住宅の種類 借入限度額 控除期間 最大控除額(年間)
認定長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円 13年 31.5万円
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 13年 24.5万円
省エネ基準適合住宅 3,000万円 13年 21万円
その他の住宅 2,000万円 10年 14万円

主な適用要件:

  • 自ら居住する住宅であること
  • 床面積が50平方メートル以上(一定の場合は40平方メートル以上)
  • 合計所得金額が2,000万円以下
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上
  • 2025年以降に入居する新築住宅は原則として省エネ基準適合が必要

※ 所得税から控除しきれない場合、住民税からも最大97,500円まで控除されます。詳細は国税庁 No.1211-1をご参照ください。

データソース一覧

当サイトの計算ロジックは、以下の公的機関が公表するデータに基づいています。いずれも一次情報を直接参照しており、二次情報や推測値は使用していません。

国税庁

所得税の税率、給与所得控除、基礎控除、相続税・贈与税の税率、住宅ローン控除、退職所得控除、源泉徴収税額表など。

https://www.nta.go.jp/

総務省

住民税(個人住民税)の税率・均等割額、ふるさと納税制度の仕組み、各種控除に関するデータ。

https://www.soumu.go.jp/

厚生労働省

厚生年金保険料率、雇用保険料率、介護保険料率、標準報酬月額等級表など。

https://www.mhlw.go.jp/

日本年金機構

厚生年金保険の標準報酬月額表、保険料額表、年金受給額の計算方法。

https://www.nenkin.go.jp/

全国健康保険協会(協会けんぽ)

都道府県別の健康保険料率(令和7年度)、介護保険料率。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/

更新履歴

日付 内容
2026年3月 2026年税制改正対応(基礎控除引き上げ、年収の壁178万円化等)。計算ロジック公開ページを新設。

今後の更新予定

  • 令和8年度(2026年度)社会保険料率の確定後、料率テーブルを更新
  • 各計算ツールの詳細な計算フロー図の追加
  • 計算精度の検証結果の公開

免責事項

本ページに記載の計算式・税率・料率は、各公的機関が公表するデータに基づいていますが、 法改正や制度変更により内容が変更される場合があります。 最新の情報は各公的機関の公式サイトでご確認ください。 本サイトの計算結果はあくまで概算・目安であり、具体的な税務判断については 税理士等の専門家にご相談ください

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