源泉徴収の基礎知識
源泉徴収とは、給与や賞与・退職金などの支払時に、あらかじめ所得税(および復興特別所得税)を差し引いて納付する制度です。会社が従業員に代わって税金を天引き・納付するため、多くの給与所得者は確定申告が不要となります。
給与の源泉徴収(甲欄・乙欄)
月額給与の源泉徴収税額は「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」に基づいて計算されます。「扶養控除等申告書」を提出した主たる給与には甲欄が適用され、扶養人数に応じた控除が受けられます。副業など申告書を出さない場合は乙欄が適用され、税額が高くなります。2026年は基礎控除が95万円に引き上げられたことで、税額表の控除額も変更されています。
賞与の源泉徴収
賞与の源泉徴収は、前月の社会保険料控除後の給与額と扶養人数から「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で税率を求め、賞与から社会保険料を引いた金額にその税率を掛けて計算します。前月の給与が高いほど、賞与にかかる源泉徴収税率も高くなります。
退職金の源泉徴収
退職金は他の所得と分離して課税されます。「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると、退職所得控除を差し引き、その2分の1に対して所得税率が適用されます(勤続5年以下の役員等は2分の1適用なし、また勤続5年以下の従業員は300万円超の部分に2分の1適用なし)。申告書を提出しない場合は退職金全額に20.42%が源泉徴収されます。
復興特別所得税
2013年から2037年まで、所得税に加えてその2.1%の復興特別所得税が課されます。源泉徴収税額にもこの復興特別所得税が含まれています。たとえば所得税額が10,000円の場合、復興特別所得税は210円で、合計10,210円が源泉徴収されます。
年末調整との関係
毎月の源泉徴収はあくまで概算であり、年末調整で1年間の正確な税額と比較し、過不足が精算されます。生命保険料控除や住宅ローン控除など、年末調整で追加の控除を受けることで還付金が発生するケースが多いです。