住民税の仕組みをわかりやすく解説【2026年版】
最終更新: 2026年3月
住民税の計算方法を図解とインタラクティブ計算ツールで解説します。所得割・均等割の仕組みから、所得税との違い、非課税基準まで、住民税のすべてがわかるガイドページです。
1. 住民税とは
住民税は、都道府県と市区町村に納める地方税です。正式には「都道府県民税」と「市区町村民税」の2つを合わせたものを住民税と呼びます。住んでいる地域の行政サービス(教育・福祉・道路整備など)の財源として使われています。
住民税は大きく分けて2つの部分で構成されています。
- 所得割(10%) -- 前年の課税所得に対して一律10%(市区町村6%+都道府県4%)が課税されます。収入が多いほど金額が大きくなります。
- 均等割(5,000円) -- 所得の大小にかかわらず定額で課税されます。標準税率は年5,000円(市区町村3,500円+都道府県1,500円)です。
2. 住民税の計算ステップ
住民税は以下のステップで計算されます。フローチャートで全体の流れを確認しましょう。
各ステップの解説
- 前年の収入を確認 -- 1月〜12月の給与収入(額面)の合計です。源泉徴収票の「支払金額」欄で確認できます。
- 給与所得控除を差し引く -- 給与収入に応じて自動的に計算される経費相当の控除です。2026年は最低65万円(収入190万円以下の場合)です。
- 給与所得を求める -- 給与収入から給与所得控除を引いた金額です。
- 所得控除を差し引く -- 基礎控除(43万円)や配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除などを合計して差し引きます。
- 課税所得を算出 -- 給与所得から所得控除を引いた金額が課税所得です。この金額がゼロ以下なら所得割はかかりません。
- 税率10%を掛ける -- 課税所得に一律10%を掛けて所得割を計算します。
- 均等割5,000円を加算 -- 所得割に定額の均等割5,000円を加えたものが住民税の年額です。
3. 所得税との違い
住民税と所得税はどちらも所得に課税される税金ですが、いくつかの重要な違いがあります。
| 項目 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 税率 | 5%〜45%の累進課税(7段階) | 一律10%(市6%+県4%) |
| 基礎控除 | 48万円(2026年最大95万円) | 43万円 |
| 課税時期 | 当年の所得に課税 | 前年の所得に課税(翌年) |
| 徴収方法 | 源泉徴収(毎月天引き)+ 年末調整 | 特別徴収(6月〜翌5月) |
| 納付先 | 国(国税) | 市区町村・都道府県(地方税) |
| 配偶者控除 | 最大38万円 | 最大33万円 |
| 扶養控除(一般) | 38万円 | 33万円 |
4. 所得控除(住民税版)
住民税の所得控除は所得税と項目は同じですが、控除額が異なるものが多い点に注意が必要です。代表的な控除を見てみましょう。
| 控除の種類 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 48万円 | 43万円 |
| 配偶者控除 | 最大38万円 | 最大33万円 |
| 扶養控除(一般) | 38万円 | 33万円 |
| 扶養控除(特定: 19〜22歳) | 63万円 | 45万円 |
| 社会保険料控除 | 全額(同じ) | |
| 生命保険料控除 | 最大12万円 | 最大7万円 |
年収を入力すると、住民税の課税所得を自動計算します。
5. 住民税が決まるタイミング
住民税は1月1日時点の住所地で課税されます。以下のタイムラインで住民税が決まり、徴収されるまでの流れを確認しましょう。
転職・退職時の住民税
会社員が退職すると、特別徴収から普通徴収に切り替わります。残りの住民税を一括で請求されることもあるため、退職時期には注意が必要です。
- 1月〜5月に退職 -- 残りの住民税は最後の給与から一括天引きされるのが原則です。
- 6月〜12月に退職 -- 残りを一括で払うか、普通徴収(自分で納付)に切り替えるか選べます。
- 転職した場合 -- 新しい勤務先で特別徴収を継続できます。手続きが間に合わない場合は一時的に普通徴収になります。
6. 住民税の簡易計算ツール
年収を入力すると、給与所得控除から住民税額まで全ステップを表示します。基礎控除(43万円)のみ適用した概算値です。
年収別の住民税額(目安)
基礎控除のみ適用した場合の住民税年額の推移です。実際は社会保険料控除などがあるため、この金額より低くなります。
7. 住民税が非課税になるケース
一定の条件を満たすと、住民税は非課税(均等割も所得割もゼロ)になります。
非課税の基準
- 単身者の場合 -- 前年の合計所得が45万円以下(給与収入で約100万円以下)
- 扶養親族がいる場合 -- 前年の合計所得が「35万円 x(本人+扶養人数)+ 31万円」以下
- 障害者・未成年者・寡婦(ひとり親) -- 前年の合計所得が135万円以下
- 生活保護を受けている方
- 低所得者向け給付金(政府の臨時給付金など)の対象
- 国民健康保険料の軽減(7割・5割・2割減額)
- 高額療養費の自己負担限度額の引き下げ
- 介護保険料の軽減
- 幼児教育・保育の無償化(第2子以降の優遇拡大)
- 高等教育の修学支援制度(大学等の授業料減免・給付型奨学金)
よくある質問
新社会人は1年目に住民税がかからないのはなぜ?
住民税は前年の所得に対して課税されます。新社会人の前年は学生時代でほとんど収入がないため、社会人1年目(入社した年の6月〜翌5月)は住民税がかかりません。2年目の6月から、1年目の給与所得に基づいた住民税の支払いが始まります。このため「2年目から手取りが減った」と感じる方が多いです。
ふるさと納税で住民税が安くなる仕組みは?
ふるさと納税で寄付した金額から2,000円を引いた額が、所得税と住民税から控除されます。住民税からは「基本分」(寄付額-2,000円の10%)と「特例分」が控除され、控除上限内であれば実質負担は2,000円のみです。ワンストップ特例制度を使えば確定申告不要で、住民税から全額が控除されます。ただし、控除上限額は年収や家族構成によって異なるため、事前に確認しましょう。
住民税の特別徴収と普通徴収の違いは?
特別徴収は、会社が毎月の給与から住民税を天引きして自治体に納付する方法です。6月から翌年5月まで12回に分けて徴収されます。会社員は原則として特別徴収です。
普通徴収は、自営業やフリーランスなどが自分で納付する方法です。6月・8月・10月・翌年1月の年4回に分けて支払います。1回あたりの金額が大きくなるため、計画的な資金準備が必要です。
引っ越したら住民税はどこに払う?
住民税は1月1日時点で住民票がある市区町村に納めます。例えば、4月に東京から大阪に引っ越した場合、その年度(6月〜翌5月)の住民税は東京の旧住所の市区町村に納付します。翌年1月1日時点では大阪にいるため、翌年度からは大阪の市区町村に納付先が変わります。二重課税されることはありません。
- 本ページの計算ツールの結果はあくまで概算・目安であり、実際の金額とは異なる場合があります。
- 住民税の均等割は標準税率(5,000円)で計算しています。自治体によって異なる場合があります。
- 社会保険料控除等は考慮していない簡易計算です。詳細な計算は住民税計算シミュレーターをご利用ください。
- 本ツールの利用により生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いません。
- 税率・控除額は2026年3月時点のものです。正確な金額は市区町村の税務課にお問い合わせください。