住宅購入の流れとお金

1
予算を決める
まずは年収や家計から、いくらの物件なら無理なく買えるかを把握しましょう。
2
物件を探す・契約する
物件価格以外に、諸費用として物件価格の約7〜10%が必要です。仲介手数料・登記費用・印紙税などが含まれます。
3
住宅ローンを組む
金利タイプ(変動・固定)や返済方法(元利均等・元金均等)を選び、返済計画を立てます。
4
税制メリットを活用する
住宅ローン控除で13年間にわたり所得税・住民税が軽減されます。ふるさと納税との併用にも注意が必要です。
5
売却時の税金を知る
将来の売却時には譲渡所得税がかかります。3,000万円特別控除やマイホーム軽減税率もチェックしましょう。

モデルケースで見る住宅購入の費用感

代表的な3パターンで、住宅購入に関わるお金の目安を確認できます。

ケース1

年収500万・独身
3,000万円マンション
借入可能額 約3,500万円
月々返済 約9.2万円
ローン控除(13年) 約270万円
固定資産税/年 約10万円

ケース2

年収700万・夫婦+子1人
4,500万円戸建て
借入可能額 約4,900万円
月々返済 約13.8万円
ローン控除(13年) 約455万円
固定資産税/年 約15万円

ケース3

年収1,000万・夫婦+子2人
7,000万円マンション
借入可能額 約7,000万円
月々返済 約21.4万円
ローン控除(13年) 約455万円
固定資産税/年 約25万円

※ 金利1.5%・35年返済・元利均等の概算です。住宅ローン控除は新築認定住宅(借入限度額4,500万円・控除率0.7%)で試算。実際の金額は条件により異なります。

住宅購入時の諸費用 完全内訳

住宅購入では「物件価格」だけでなく、購入時に一度だけ発生する諸費用が物件価格の7〜10%程度かかります。ここを見落とすと予算オーバーの最大要因になります。

新築マンション・建売住宅(物件価格4,000万円の場合の目安)

費用項目 金額目安 内容
印紙税1〜2万円売買契約書に貼付
登録免許税20〜40万円所有権移転・保存登記
司法書士報酬10〜15万円登記手続き代行
不動産取得税0〜30万円新築は軽減措置で0円も多い
ローン保証料50〜80万円借入3,500万円の場合
事務手数料3〜70万円金融機関により大差
火災保険(10年)15〜30万円地震保険付きの場合
仲介手数料(中古のみ)138.6万円物件価格の3%+6万円+税
合計(新築)約130〜200万円物件価格の3〜5%
合計(中古)約280〜350万円物件価格の7〜9%

諸費用を抑える3つのコツ

  1. ネット銀行を比較する:住信SBI・auじぶん銀行・ソニー銀行などは事務手数料が借入額の2.2%(定率型)で保証料ゼロの商品が多く、総額で数十万円の差が出ます。
  2. 火災保険は代理店比較:建物の構造・地域によって保険料が2〜3倍変わります。最低3社の見積もりを取るのが鉄則です。
  3. フラット35を活用:保証料がゼロ、団信も選択式で諸費用を抑えやすい。固定金利で将来の金利上昇リスクも避けられます。

2026年版 住宅ローン控除 完全ガイド

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末のローン残高の0.7%を最大13年間、所得税・住民税から差し引ける強力な節税制度です。2026年入居でも継続適用ですが、省エネ性能によって借入限度額が大きく異なるため要注意です。

住宅タイプ別の借入限度額(2026年入居)

住宅区分 借入限度額 最大控除額(13年)
認定長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円409.5万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円318.5万円
省エネ基準適合住宅3,000万円273万円
その他の新築0円(対象外)適用不可
中古(認定・ZEH・省エネ)3,000万円210万円(10年)
中古(その他)2,000万円140万円(10年)

※ 2024年以降、省エネ基準を満たさない新築は住宅ローン控除の対象外です。購入前に「建設住宅性能評価書」または「住宅省エネルギー性能証明書」を必ず確認してください。

子育て世帯・若者夫婦世帯の時限拡充

40歳未満の夫婦、または19歳未満の子を持つ世帯は、2026年入居限定で借入限度額が上乗せされます。

  • 認定住宅:4,500万円 → 5,000万円(+500万円)
  • ZEH水準:3,500万円 → 4,500万円(+1,000万円)
  • 省エネ基準:3,000万円 → 4,000万円(+1,000万円)

子育て世帯なら認定住宅で13年間で最大455万円の節税が可能です。年収500万円・夫婦+子1人の標準世帯なら、実際に満額控除できるケースも多いので、制度活用を前提に物件を選ぶ価値があります。

買ってはいけない住宅の見分け方

ローン控除や金利ばかりに目が行きがちですが、物件そのものの価値が毀損する物件を買うと、控除で浮いた金額以上に資産を減らします。以下のチェックポイントは購入前に必ず確認しましょう。

立地のNGサイン

  • ハザードマップで浸水想定3m以上の土地:火災保険料・地震保険料が割高になるうえ、水害発生時の修繕費は実費負担が大きい。
  • 最寄駅から徒歩15分超:将来売却・賃貸化する際、流動性が大幅に落ちます。駅徒歩10分以内が資産性維持の目安。
  • 大規模再開発の「完成後」の物件:価格がピークで購入するリスクあり。再開発前〜途中のエリアが値上がり余地あり。
  • 既存不適格物件:現行の建築基準を満たさない物件は、将来建て替え時に同規模の建物が建てられない可能性。

建物のNGサイン

  • 修繕積立金が不自然に安い中古マンション:国交省ガイドラインでは月200円/㎡以上が目安。70㎡なら月1.4万円以上が健全水準。
  • 管理組合の議事録が開示されない物件:管理状態の悪いマンションは資産価値が急速に落ちます。
  • 旧耐震基準(1981年5月以前)の物件:地震保険料が2倍、住宅ローン控除の対象外になる可能性が高い。

変動金利 vs 固定金利 判断基準

2026年時点で変動金利は0.3〜0.5%、フラット35(固定)は1.8〜2.0%台と、両者に約1.3〜1.5%の差があります。35年3,500万円の借入で試算すると、金利差0.5%で総返済額は約340万円変わります。単純な「安さ」だけで選ぶと痛い目に遭うので、以下の判断軸で決めましょう。

変動金利が向く人

  • 借入額が年収の5倍以下で、金利上昇1〜2%でも返済可能な資金余裕がある
  • 繰上返済を積極的に行う予定(10年以内に残高の半分を返す計画など)
  • 共働きでリスク分散できる、または金融資産1,000万円以上保有

固定金利(フラット35など)が向く人

  • 借入額が年収の6倍以上で返済負担が重い
  • 教育費の増加期と返済期が重なる子育て世帯
  • 転職・独立など収入変動リスクを抱えている
  • 金利動向を気にせず、家計を「固定費」として管理したい

ミックス型という選択肢

借入の半分を変動・半分を固定にする「ミックス型」は、金利上昇リスクと総返済額のバランスを取れる折衷案です。例えば3,500万円のうち2,000万円を変動(0.4%)、1,500万円を10年固定(1.0%)にすれば、金利上昇時も変動部分のみ影響を受けます。

住宅購入前チェックリスト

住宅購入前に確認しておきたい7つのポイント。クリックでチェックできます(進捗は自動保存されます)。

  • 頭金は物件価格の10〜20%用意できるか
  • 月々の返済額は手取りの25%以内か
  • 固定資産税・管理費を含めた総住居費を計算したか
  • 住宅ローン控除の適用条件を確認したか
  • 団体信用生命保険(団信)の内容を確認したか
  • ふるさと納税の上限額への影響を確認したか
  • 火災保険・地震保険の加入を検討したか

よくある質問

住宅購入に必要な自己資金はどのくらいですか?

一般的に物件価格の20〜30%程度が目安です。内訳は頭金が物件価格の10〜20%、諸費用(仲介手数料・登記費用・印紙税・ローン手数料など)が7〜10%です。頭金ゼロのフルローンも可能ですが、月々の返済額が増え、金利負担も大きくなります。

年収の何倍まで住宅ローンを借りられますか?

金融機関の審査では年収の6〜8倍程度まで借入可能とされていますが、無理のない返済のためには年収の5〜6倍、月々の返済額が手取りの25%以内に収まる金額が安全圏です。返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)は25%以下が理想的です。

住宅ローン控除とは何ですか?いくら節税できますか?

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンの年末残高の0.7%を所得税・住民税から最大13年間控除できる制度です。2026年入居の場合、新築の認定住宅で最大455万円、その他の新築住宅で最大273万円の節税効果があります。

住宅購入後にかかる税金は何がありますか?

毎年「固定資産税」(評価額の1.4%)と「都市計画税」(0.3%)がかかります。新築住宅には一定期間の軽減措置があります。また、購入時には不動産取得税、登録免許税、印紙税が一度だけかかります。

住宅ローン控除を受けるとふるさと納税の上限額は変わりますか?

はい、住宅ローン控除で所得税が減ると、ふるさと納税の控除上限額も下がる場合があります。両方を利用する場合は事前にシミュレーションすることをおすすめします。ワンストップ特例制度を使えば影響を抑えられるケースもあります。

関連ツール

住宅購入に関連するくらしの計算機の計算ツールをまとめました。

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計算根拠・参照データ

本ページの内容は、以下の公的機関のデータ・法令に基づいています。

※ 計算結果はあくまで概算です。正確な金額は各公的機関や専門家にご確認ください。