住宅購入の流れとお金
モデルケースで見る住宅購入の費用感
代表的な3パターンで、住宅購入に関わるお金の目安を確認できます。
ケース1
3,000万円マンション
ケース2
4,500万円戸建て
ケース3
7,000万円マンション
※ 金利1.5%・35年返済・元利均等の概算です。住宅ローン控除は新築認定住宅(借入限度額4,500万円・控除率0.7%)で試算。実際の金額は条件により異なります。
住宅購入時の諸費用 完全内訳
住宅購入では「物件価格」だけでなく、購入時に一度だけ発生する諸費用が物件価格の7〜10%程度かかります。ここを見落とすと予算オーバーの最大要因になります。
新築マンション・建売住宅(物件価格4,000万円の場合の目安)
| 費用項目 | 金額目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 1〜2万円 | 売買契約書に貼付 |
| 登録免許税 | 20〜40万円 | 所有権移転・保存登記 |
| 司法書士報酬 | 10〜15万円 | 登記手続き代行 |
| 不動産取得税 | 0〜30万円 | 新築は軽減措置で0円も多い |
| ローン保証料 | 50〜80万円 | 借入3,500万円の場合 |
| 事務手数料 | 3〜70万円 | 金融機関により大差 |
| 火災保険(10年) | 15〜30万円 | 地震保険付きの場合 |
| 仲介手数料(中古のみ) | 138.6万円 | 物件価格の3%+6万円+税 |
| 合計(新築) | 約130〜200万円 | 物件価格の3〜5% |
| 合計(中古) | 約280〜350万円 | 物件価格の7〜9% |
諸費用を抑える3つのコツ
- ネット銀行を比較する:住信SBI・auじぶん銀行・ソニー銀行などは事務手数料が借入額の2.2%(定率型)で保証料ゼロの商品が多く、総額で数十万円の差が出ます。
- 火災保険は代理店比較:建物の構造・地域によって保険料が2〜3倍変わります。最低3社の見積もりを取るのが鉄則です。
- フラット35を活用:保証料がゼロ、団信も選択式で諸費用を抑えやすい。固定金利で将来の金利上昇リスクも避けられます。
2026年版 住宅ローン控除 完全ガイド
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末のローン残高の0.7%を最大13年間、所得税・住民税から差し引ける強力な節税制度です。2026年入居でも継続適用ですが、省エネ性能によって借入限度額が大きく異なるため要注意です。
住宅タイプ別の借入限度額(2026年入居)
| 住宅区分 | 借入限度額 | 最大控除額(13年) |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 409.5万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 318.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 273万円 |
| その他の新築 | 0円(対象外) | 適用不可 |
| 中古(認定・ZEH・省エネ) | 3,000万円 | 210万円(10年) |
| 中古(その他) | 2,000万円 | 140万円(10年) |
※ 2024年以降、省エネ基準を満たさない新築は住宅ローン控除の対象外です。購入前に「建設住宅性能評価書」または「住宅省エネルギー性能証明書」を必ず確認してください。
子育て世帯・若者夫婦世帯の時限拡充
40歳未満の夫婦、または19歳未満の子を持つ世帯は、2026年入居限定で借入限度額が上乗せされます。
- 認定住宅:4,500万円 → 5,000万円(+500万円)
- ZEH水準:3,500万円 → 4,500万円(+1,000万円)
- 省エネ基準:3,000万円 → 4,000万円(+1,000万円)
子育て世帯なら認定住宅で13年間で最大455万円の節税が可能です。年収500万円・夫婦+子1人の標準世帯なら、実際に満額控除できるケースも多いので、制度活用を前提に物件を選ぶ価値があります。
買ってはいけない住宅の見分け方
ローン控除や金利ばかりに目が行きがちですが、物件そのものの価値が毀損する物件を買うと、控除で浮いた金額以上に資産を減らします。以下のチェックポイントは購入前に必ず確認しましょう。
立地のNGサイン
- ハザードマップで浸水想定3m以上の土地:火災保険料・地震保険料が割高になるうえ、水害発生時の修繕費は実費負担が大きい。
- 最寄駅から徒歩15分超:将来売却・賃貸化する際、流動性が大幅に落ちます。駅徒歩10分以内が資産性維持の目安。
- 大規模再開発の「完成後」の物件:価格がピークで購入するリスクあり。再開発前〜途中のエリアが値上がり余地あり。
- 既存不適格物件:現行の建築基準を満たさない物件は、将来建て替え時に同規模の建物が建てられない可能性。
建物のNGサイン
- 修繕積立金が不自然に安い中古マンション:国交省ガイドラインでは月200円/㎡以上が目安。70㎡なら月1.4万円以上が健全水準。
- 管理組合の議事録が開示されない物件:管理状態の悪いマンションは資産価値が急速に落ちます。
- 旧耐震基準(1981年5月以前)の物件:地震保険料が2倍、住宅ローン控除の対象外になる可能性が高い。
変動金利 vs 固定金利 判断基準
2026年時点で変動金利は0.3〜0.5%、フラット35(固定)は1.8〜2.0%台と、両者に約1.3〜1.5%の差があります。35年3,500万円の借入で試算すると、金利差0.5%で総返済額は約340万円変わります。単純な「安さ」だけで選ぶと痛い目に遭うので、以下の判断軸で決めましょう。
変動金利が向く人
- 借入額が年収の5倍以下で、金利上昇1〜2%でも返済可能な資金余裕がある
- 繰上返済を積極的に行う予定(10年以内に残高の半分を返す計画など)
- 共働きでリスク分散できる、または金融資産1,000万円以上保有
固定金利(フラット35など)が向く人
- 借入額が年収の6倍以上で返済負担が重い
- 教育費の増加期と返済期が重なる子育て世帯
- 転職・独立など収入変動リスクを抱えている
- 金利動向を気にせず、家計を「固定費」として管理したい
ミックス型という選択肢
借入の半分を変動・半分を固定にする「ミックス型」は、金利上昇リスクと総返済額のバランスを取れる折衷案です。例えば3,500万円のうち2,000万円を変動(0.4%)、1,500万円を10年固定(1.0%)にすれば、金利上昇時も変動部分のみ影響を受けます。
住宅購入前チェックリスト
住宅購入前に確認しておきたい7つのポイント。クリックでチェックできます(進捗は自動保存されます)。
- 頭金は物件価格の10〜20%用意できるか
- 月々の返済額は手取りの25%以内か
- 固定資産税・管理費を含めた総住居費を計算したか
- 住宅ローン控除の適用条件を確認したか
- 団体信用生命保険(団信)の内容を確認したか
- ふるさと納税の上限額への影響を確認したか
- 火災保険・地震保険の加入を検討したか
よくある質問
住宅購入に必要な自己資金はどのくらいですか?
一般的に物件価格の20〜30%程度が目安です。内訳は頭金が物件価格の10〜20%、諸費用(仲介手数料・登記費用・印紙税・ローン手数料など)が7〜10%です。頭金ゼロのフルローンも可能ですが、月々の返済額が増え、金利負担も大きくなります。
年収の何倍まで住宅ローンを借りられますか?
金融機関の審査では年収の6〜8倍程度まで借入可能とされていますが、無理のない返済のためには年収の5〜6倍、月々の返済額が手取りの25%以内に収まる金額が安全圏です。返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)は25%以下が理想的です。
住宅ローン控除とは何ですか?いくら節税できますか?
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンの年末残高の0.7%を所得税・住民税から最大13年間控除できる制度です。2026年入居の場合、新築の認定住宅で最大455万円、その他の新築住宅で最大273万円の節税効果があります。
住宅購入後にかかる税金は何がありますか?
毎年「固定資産税」(評価額の1.4%)と「都市計画税」(0.3%)がかかります。新築住宅には一定期間の軽減措置があります。また、購入時には不動産取得税、登録免許税、印紙税が一度だけかかります。
住宅ローン控除を受けるとふるさと納税の上限額は変わりますか?
はい、住宅ローン控除で所得税が減ると、ふるさと納税の控除上限額も下がる場合があります。両方を利用する場合は事前にシミュレーションすることをおすすめします。ワンストップ特例制度を使えば影響を抑えられるケースもあります。
関連ツール
住宅購入に関連するくらしの計算機の計算ツールをまとめました。
関連コラム
計算根拠・参照データ
本ページの内容は、以下の公的機関のデータ・法令に基づいています。
- 国土交通省 - 不動産・住宅に関する情報
- 国税庁「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 国税庁 - 税制・所得税・確定申告に関する情報
※ 計算結果はあくまで概算です。正確な金額は各公的機関や専門家にご確認ください。