住民税決定通知書の読み方【2026年版】

最終更新: 2026年3月

毎年5〜6月に届く住民税決定通知書。金額が正しいか不安に感じたことはありませんか?
この記事では、通知書の各項目の意味を図解で解説し、計算が合っているかを検算できるツールもご用意しました。

1. 住民税決定通知書とは

住民税決定通知書は、その年に支払う住民税の金額と、その計算内訳を通知する書類です。前年1月〜12月の所得に基づいて計算され、翌年の6月から翌々年5月まで徴収されます。

  • 届く時期: 毎年5月〜6月
  • 会社員の場合: 会社経由で配布(正式名称:特別徴収税額決定通知書)
  • 自営業・フリーランスの場合: 自宅に郵送(普通徴収税額決定通知書)
  • 計算の基準: 前年1月1日〜12月31日の所得
  • 課税主体: 1月1日時点の住所地の市区町村

2. 通知書の見方(図解)

通知書に記載されている主な項目を、実際の通知書に近いレイアウトで解説します。各項目をクリック(タップ)すると詳しい説明が表示されます。

令和7年度 市民税・県民税 特別徴収税額決定通知書
収入金額等
1給与収入 5,000,000
いわゆる「額面年収」です。源泉徴収票の「支払金額」と一致します。手取りではなく、税金・社会保険料が引かれる前の総額です。
所得金額
2給与所得 3,560,000
給与収入から「給与所得控除」を差し引いた金額です。給与所得控除は会社員の必要経費にあたるもので、収入額に応じて自動的に計算されます。
所得控除
3所得控除の内訳 1,290,000
基礎控除(43万円)、社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除などの合計です。この金額が大きいほど税額は低くなります。

主な内訳:
- 基礎控除: 430,000円
- 社会保険料控除: 750,000円(健康保険・厚生年金・雇用保険)
- 生命保険料控除: 最大70,000円(住民税)
- 配偶者控除: 330,000円(住民税用)
※ 住民税の控除額は所得税と異なる場合があります
課税標準額
4総所得 2,270,000
給与所得(2)から所得控除合計(3)を差し引いた金額です。この金額に税率10%をかけて所得割が計算されます。

計算式: 3,560,000 - 1,290,000 = 2,270,000円
(1,000円未満切り捨て)
税額
5所得割額 227,000
課税標準額に住民税の税率10%(市民税6% + 都道府県民税4%)をかけた金額です。住民税の大部分を占めます。

計算式: 2,270,000 x 10% = 227,000円
6税額控除額 20,000
所得割額から差し引かれる控除です。ふるさと納税の寄附金税額控除や住宅ローン控除などが反映されます。

ふるさと納税のワンストップ特例を利用した場合は、ここに全額反映されます。確定申告した場合は所得税と住民税に分かれるため、ここの金額は少なくなります。

※ 調整控除(最低2,500円)も含まれます。
年税額
7均等割額 5,000
所得の多寡に関わらず、一律に課税される定額部分です。標準税率は年5,000円(市民税3,500円 + 都道府県民税1,500円)です。

※ 一部の自治体では独自に上乗せしている場合があります(横浜市の「みどり税」など)。
8特別徴収税額(年額) 212,000
最終的に1年間で支払う住民税の合計額です。

計算式: 所得割(227,000) - 税額控除(20,000) + 均等割(5,000) = 212,000円

この金額を12分割して毎月の給与から天引きされます。6月は端数調整のため、他の月より少し高くなります。

月額の例:
- 6月: 17,800円(端数加算)
- 7月〜翌5月: 17,600円 x 11回

住民税の計算フロー

給与収入(額面年収)
↓ 給与所得控除を差し引く
給与所得
↓ 各種所得控除を差し引く
課税標準額(1,000円未満切捨)
↓ 税率10%をかける
所得割額
↓ 税額控除を差し引き、均等割を加える
年税額(100円未満切捨)

3. 検算ツール

通知書の数値を入力すると、各ステップの計算が合っているか検証します。差異がある場合は警告を表示します。

4. ふるさと納税の控除が反映されているか確認

ふるさと納税をした場合、通知書の「税額控除額」欄に寄附金税額控除として反映されているか確認しましょう。

確認ポイント: 通知書の「税額控除額」または「摘要」欄に「寄附金税額控除」の記載があるか確認してください。ワンストップ特例利用の場合、(寄附額 - 2,000円)の全額が住民税から控除されます。確定申告した場合は、所得税と住民税に分かれるため、住民税側は約77〜85%程度になります。

ふるさと納税 控除額ミニ計算

5. 間違いがあった場合の対処法

検算で差異が見つかった場合や、控除が反映されていない場合は、以下の手順で対処しましょう。

  1. 会社の総務・経理に相談

    まずは会社の担当者に通知書の内容について確認しましょう。源泉徴収票の金額と通知書の給与収入が一致しているかも確認できます。

  2. 市区町村の税務課に問い合わせ

    住民税の計算は市区町村が行っています。通知書に記載の問い合わせ先に電話し、計算内容の詳細を確認できます。控除の反映漏れなどは、この段階で判明することが多いです。

  3. 更正の請求を行う

    明らかな誤りがある場合は「更正の請求」(減額の場合)や「修正申告」(増額の場合)を行います。法定納期限から5年以内であれば請求可能です。必要書類を揃えて税務署または市区町村に提出します。

6. よくある質問

6月だけ住民税が高いのはなぜ?

住民税は年税額を12等分して毎月の給与から天引きされますが、12で割り切れない端数が発生します。この端数は初回の6月分にまとめて加算されるため、6月だけ他の月より数百円〜数千円高くなります。

例えば年税額が212,000円の場合:

  • 月額: 212,000 / 12 = 17,666.66... → 17,600円
  • 6月: 212,000 - (17,600 x 11) = 18,400円
  • 7月〜翌5月: 17,600円 x 11回

これは正常な処理であり、間違いではありません。

ふるさと納税が反映されていないときは?

以下の原因が考えられます:

  • ワンストップ特例の申請書を出し忘れた — 寄附先の自治体に期限内(翌年1月10日必着)に申請書を提出していないと控除されません。
  • 確定申告をしたがふるさと納税を申告し忘れた — 確定申告をするとワンストップ特例は無効になります。確定申告で寄附金控除を記載する必要があります。
  • 寄附先が6自治体以上 — ワンストップ特例は5自治体以内が条件です。6自治体以上に寄附した場合は確定申告が必要です。

反映されていない場合は、まず市区町村の税務課に問い合わせましょう。「更正の請求」で還付を受けられる場合があります。

転職した場合の住民税は?

住民税は前年の所得に基づいて1月1日時点の住所地で課税されるため、転職しても課税先は変わりません。ただし、徴収方法が変わる場合があります。

  • 退職時期が1月〜5月: 残りの住民税が最後の給与から一括徴収されるのが一般的です。
  • 退職時期が6月〜12月: 普通徴収(自分で納付)に切り替わるか、新しい会社で特別徴収を継続するか選べます。

転職先の会社の総務に「住民税の特別徴収の継続」を依頼すれば、給与天引きをスムーズに引き継げます。