法人化シミュレーター|個人事業 vs 法人 どちらが得か即判定

FP技能士監修

更新|2026年税制対応

年間売上・経費率・役員報酬を入力するだけで、個人事業のままと法人化した場合の税金・社会保険料の総額を比較し、どちらが有利かを即判定します。法人化の損益分岐点を具体的な数字で確認しましょう。

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事業の年間売上を万円単位で入力してください
売上に対する経費の割合(デフォルト30%)
法人化した場合に自分に支払う月額報酬

判定結果

個人事業の年間負担
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法人化の年間負担
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法人化による差額
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税金・社保の内訳比較

項目 個人事業 法人

税負担の比較グラフ

計算の前提条件

  • 個人事業税は税率5%(事業主控除290万円)で計算
  • 国民健康保険料は所得割率10.28%+均等割67,300円で概算(自治体により異なります)
  • 国民年金は月額16,980円で計算
  • 法人税は所得800万円以下15%、超過分23.2%で計算(法人住民税・事業税含む実効税率は約24%/約34%)
  • 社会保険料は健康保険9.98%+厚生年金18.3%(会社+個人負担の合計)で概算
  • 役員報酬の給与所得控除を適用して所得税・住民税を計算
  • 青色申告特別控除65万円を個人事業に適用

よくある質問

法人化した方が得になる売上の目安はいくらですか?

一般的に年間売上が800万〜1,000万円を超えると法人化のメリットが出始めます。ただし経費率や役員報酬の設定によって大きく変わるため、上のシミュレーターで具体的な数字を確認することをおすすめします。経費率が低い業種(コンサルティング等)はより低い売上で法人化のメリットが出やすくなります。

法人化すると社会保険料はどう変わりますか?

個人事業主は国民健康保険+国民年金ですが、法人化すると健康保険+厚生年金に加入します。社会保険料は役員報酬の金額に連動し、会社負担分と個人負担分の合計で約30%程度です。保険料は増えますが、将来の年金受給額が増えるメリットがあります。

法人化のデメリットは何ですか?

主なデメリットは、(1)設立費用(株式会社で約25万円)、(2)赤字でも法人住民税の均等割(年約7万円)が発生、(3)税理士費用(年間30〜50万円程度)、(4)社会保険の強制加入による保険料負担増です。本ツールでは税金・社保の比較ができますが、これらの間接コストも含めて総合的に判断してください。

役員報酬はいくらに設定するのが最も得ですか?

「個人の所得税・住民税・社会保険料」と「会社に残る利益にかかる法人税等」の合計が最小になる点が最適です。役員報酬を高くすると会社の利益(=法人税の対象)は減りますが、給与所得控除の上限(年収850万円超で頭打ち)を超える部分は個人の累進課税が重くなります。一般には、生活費に必要な額を確保しつつ、課税所得の累進税率が法人実効税率(約24〜34%)を上回らない水準に抑えるのがセオリーです。本ツールで役員報酬を変えて、合計負担が底になる金額を探してみてください。

法人化すると消費税はどうなりますか?

かつては「資本金1,000万円未満の新設法人は最大2年間、消費税の納税義務が免除される」点が大きなメリットでした。ただしインボイス制度(適格請求書)の導入後は、取引先が仕入税額控除を受けるために登録を求めるケースが多く、登録すれば免税のメリットは実質的に失われます。BtoB中心で取引先が課税事業者なら登録がほぼ必須、消費者向け(BtoC)中心なら免税を選ぶ余地が残ります。業態によって判断が分かれるため、税理士への相談をおすすめします。

法人成りの「税率の分岐点」と、数字に表れないコスト

法人成りの最大の動機は「所得税の累進課税」と「法人税の比例課税」の差を使うことです。個人事業の所得税は所得が増えるほど税率が上がり、課税所得900万円超で33%、1,800万円超で40%、4,000万円超で最高45%(いずれも別途住民税10%・復興税)に達します。一方、中小法人の法人税は所得800万円以下が15%、超過分が23.2%で、法人住民税・事業税を含めた実効税率でも概ね24〜34%程度に収まります。つまり、課税所得が一定額を超えると「所得税率>法人実効税率」となり、利益を会社にプールしたり、家族へ役員報酬を分散したりすることで世帯全体の税負担を下げられます。この逆転が起き始めるのが、経費を引いた後の事業所得でおおむね年600万〜800万円、売上ベースでは経費率により800万〜1,000万円が目安とされます。

ただし、税率差だけで判断すると失敗します。法人化には「数字に表れにくいコスト」が必ず付随するからです。具体的には、設立費用(株式会社で約25万円、合同会社で約10万円)、赤字でも毎年かかる法人住民税の均等割(最低でも年約7万円)、決算申告を税理士に依頼する費用(年30万〜50万円が相場)、そして社会保険の強制加入による保険料負担です。社会保険料は会社負担と個人負担を合わせると役員報酬の約28%にのぼり、これが法人化で増える最大のコストになることも珍しくありません。本ツールはこれらのうち税金と社会保険料を比較できますが、税理士費用や設立費用は別途見込んでおく必要があります。

計算例:売上1,000万円・経費率30%・役員報酬月40万円

売上1,000万円、経費率30%(経費300万円)、役員報酬を月40万円(年480万円)に設定したケースで考えます。個人事業なら事業所得は約700万円から青色申告特別控除65万円を引いた約635万円が課税の出発点で、所得税・住民税・個人事業税・国保・国民年金を合わせた負担が生じます。法人化すると、会社に残る利益(売上−経費−役員報酬=約220万円)に法人税等がかかり、役員報酬480万円には給与所得控除が使えて個人の所得税・住民税が軽くなります。一方で健康保険・厚生年金の保険料は役員報酬480万円の約28%(会社・個人合計で約130万円超)に膨らみます。この設定では「税金は法人の方が安いが、社会保険料の増加で総負担はほぼ拮抗」という結果になりやすく、まさに法人化の損益分岐点付近です。役員報酬や経費率を変えると分岐点が動くので、上の判定ツールで自分の数字を入れて確かめるのが確実です。

法人化のメリット・デメリット早見

メリット:所得分散と給与所得控除による節税、繰越欠損金が10年使える(個人は3年)、退職金を経費にできる、社会保険加入で将来の年金が手厚くなる、対外的な信用力の向上。デメリット:設立・維持コスト(均等割・税理士費用)、社会保険料の負担増、事務手続きの煩雑さ、会社のお金を自由に使えない(役員貸付の問題)。売上が分岐点を超えていても、これらの維持コストを上回る節税効果が出るかが実際の判断軸です。法人化前後の手取りはフリーランス手取り計算、最適なタイミングは法人化タイミング診断もあわせてご検討ください。

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